読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

メロンクリームソーダ

Twitter @_imatter__

人生をサボらないこと

 

12〜16日、仙台に帰っていた。

 

久しぶりに乗ったウィラーバスは3000円で1番高いシートに乗ることが出来たし、1番後ろの席だった。ここぞとばかりにマックスリクライニングした。大きな窓から北上とともに満開になっていく桜を見る。景観が楽しめるから昼便のバスは嫌いじゃない。

 

親友の結婚式に出席するのが帰省の目的だった。親戚の結婚も特になかったので、23歳にして初めて結婚式に出席することになり、2日でドレスやヒール、小物を買い揃えた。柄にもなく淡いマスカットグリーンのワンピースを着たけれど、誰とも被らない色だったし、自分はちゃんと女の子でいいんだなって思えた。いつも制服やお揃いのジャージを着ていた親友のウエディングドレス姿にはさすがに涙が出た。だいぶ前に結婚を諦めている私だけれど、あんな美しいもの見せられたら結婚したくもなる。人生で初めてちゃんと、結婚したいと思った。はじめてフォアグラを食べたけど、豚の角煮の方が好きだなと思った。(比較対象がおかしい)

終電までおしゃれなイタリアンでしゃべり倒して帰った。相変わらず頭の悪いことばかり言ってはほっぺたが痛くなるほど笑ったけれど、同じくらいの分量で仕事の愚痴がどばーーーっとこぼれたりして、ああ、私たちもちゃんと大人になってんだな、なんて思った。仕事の愚痴なんてないのがいちばんだけど(ないなんてことはほぼあり得ないと思うけど)、ちょっと羨ましくも思ってしまう無職の私。でも出来るだけ愚痴らなくて済む職場がいいよ。切実。

 

次の日は予定がなくて泥のように寝た。オカンのパート帰りに合わせてコンビニに行って、夕飯にサーモンづくしの寿司パックと缶チューハイを買う。歩いて5分の帰り道、天気が良くて風が温かくて、春だった。オカンがスピッツの春の歌を隣で口ずさんでいて映画のワンシーンのような気持ちになった。こういう時間こそがきっと"かけがえのない日常"だったんだろうな、と思った。

帰ってきて週明けの面接に向けてパソコンをいじっていると友達から突然電話がきて、迎えに行くからと呼び出される。たまにしか会えないんだから、とオカンは快く行かせてくれたけれど、私が食べたいって言って買ってもらったお寿司を結局1人で食べさせてしまった。申し訳ない。帰省してもいつも出ずっぱりだから、なんだかんだでオカンといる時間の方がたまにしかないよ。

久しぶりの串鳥で、彼女に振られた話を聞いて、まぁ元気出せよなんつって、場面で花見に行って、でも暗くて全然見えなくて公園の遊具で遊んで、手のひら鉄臭くなって。本来の目的を完全に失ってたけど楽しかった。ずっと会ってなかった地元の友達に偶然会えたりもして。仕事辞めたのおめでとう!って言われて、辞めておめでとうっていうのもなんだか変な気持ちだったけど嬉しかった。なんでもないようなことが幸せだったと思うとはよく言ったものですね。

 

ボロボロの壁紙で、家財道具にもなんの統一感もなくて、どこで撮ってもSNSに向かない実家も、屋根のない駅のホームも、今となってはちょうどいい感じだったのかもしれない。最寄りに駅ビルがあって、徒歩圏内でだいたい事足りる生活を手に入れても、あの田舎にしかないものがある。

とは言え東京に来てまだ2年目、地元なんて22年かけて積み上げてきたもので溢れているのだから不満なんてなくて当たり前なのかもしれない。人間関係をサボったことはないし、学生じゃなくなった今、嫌いな人に会うこともない。今思えば不満がないことに不満を覚えて飛び出したんだと思うし、これはまぁすごいわがままである。

帰っておいでよ、と言ってもらえるのはとても嬉しいこと。居なくなっても自分の場所をちゃんと用意してくれているのはとってもありがたい。それでもそう言われるたびに、まだ帰っちゃダメだなって思うのは、出て来たことに後悔はないということだし、グズグズメソメソしてもまだやれるって気持ちがあるってことだと思う。ちゃんとしたい。

 

人間関係をサボらない。

自己向上をサボらない。

人生をサボらない。